2/20はフライデーナイトマジックに参加してきました。使用デッキは『青黒テゼレット』、グランプリ神戸14にて感銘を受け、それからずっと使い続けて、店舗大会では常に2-1以上の成績で、負け越した記憶のない優良なデッキです。
 店舗大会には《出産の殻/Birthing Pod(NPH)》デッキが禁止前からもほぼ存在しなかったことが勝因ですね。《殻》とは2回対戦して、1勝1敗でした。勝った試合は殻を引かれなかった時。負けた試合はやはり《殻》が着地した時です。
 そして、《殻》禁止はこのデッキに追い風をもたらしました。
 賢明な方はこのデッキのデザイナー・使用者様がどなたなのかは把握されていると思われますが、この方の独創的なデッキの公式的メタられっぷりは酷いものでした。最初の記憶では『《罰する火》搭載けちコントロール』。これは周知のとおり《罰する火/Punishing Fire(ZEN)》禁止により、これをフィニッシュに据えたものは消滅しました。そして"レジェンド・オブ・レジェンド"を圧倒した『エターナル・コマンド(青赤緑薬瓶コントロール)』。これは「ラヴニカへの回帰」にて、《突然の衰微》の登場で安全に《霊気の薬瓶》が処理されるようになったため、『BG系』の隆盛とともに勢力を落としました。現禁止である《死儀礼のシャーマン》もデッキコンセプト否定のガンでした。
 そして『青黒テゼレット』。スタンダードなどでも《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact(M15)》で殴りころされた方は良くご存知かと思われますが、突然の5/5クロックは対処しづらいものがあります。今回の3-0という結果は、モダンでも《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》が通用するということの証明だと感じます。

 このブログでは初となりますが、デッキリストを公開したいと思います。情報戦であるためあまり普段は公開しないのですが、ここまでくれば問題ないと判断したので。今のメタゲームに合わせた調整をしています。

3 クリーチャー
1《呪文滑り/Spellskite(NPH)》
1《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》
1《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》
 特定のデッキに刺さるが複数あってもクロックにならない《呪文滑り》、白系には重くテンポの悪い《ワームとぐろ》が1枚ずつ。《血統の守り手》はフリースロットで今回お試し枠ですが、赤系が若干弱体化したようなので採用。流行の《タシグル》は考えましたがメインの墓地対策との相性を考えて不採用に。

36 呪文
4《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》
3《大祖始の遺産/Relic of Progenitus(ALA)》
1《真髄の針/Pithing Needle(SOK)》
4《ディミーアの印鑑/Dimir Signet(RAV)》
3《威圧のタリスマン/Talisman of Dominance(MRD)》
2《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》
3《喉首狙い/Go for the Throat(MBS)》
1《破滅の刃/Doom Blade(M10)》
2《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》
4《知識の渇望/Thirst for Knowledge(MRD)》
4《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》
2《滅び/Damnation(PLC)》
1《殴打頭蓋/Batterskull(NPH)》
2《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives(5DN)》
 オリジナルとの違いは色々ありますが、まずは《オパールのモックス》不採用《仕組まれた爆薬》の採用でしょうか。《モックス》はマナトラブルを解決してくれる素晴らしいパーマネントですが、同時にマナフラッドも誘発するため、単体で強いものに変更。『親和』、《未練ある魂》にも対応。《モックス》と同じく、《テゼレット》環境下で単純に0マナ5/5としても運用できます。個人的には『SCZ』相手にX=1で輝いたのでMVPをあげたいです。
 これまではオリジナル同様《コジレックの審問》を採用してきましたが、《修復の天使》《謎めいた命令》《殴打頭蓋》など致命的なところを落とせないため《思考囲い》と入れ替えに。今回は、呪禁オーラ→青赤ドラゴンストーム→SCZとマナコストの軽いデッキばかりに当たったため裏目でしたが、こればかりは当たり運なのでどちらが正解かは分からないです。
 除去の選択ですが《タシグル》《包囲サイ》により《闇の腹心》採用率が減っているため、現状では《大霊堂のスカージ》《潮の虚ろの漕ぎ手》など少数がターゲットである《燻し》は切り、《修復の天使》《包囲サイ》《黄金牙、タシグル》からミシュラランド、各種タイタンまで受けの広い《喉首狙い》を増量。4枚でなく《破滅の刃》はそれらに加え、青単トロンのアーティファクトクリーチャーへのせめてもの抵抗。
 メイン《大祖始の遺産》はこのデッキにおける嗜みであり強みです。メインからの墓地対策は探査の流行りもあり、『死せる生』、《恐血鬼》などを採用したデッキにも効果的でメタにも合っています。本来の仕事できなくても5/5クロックに変えられますし、用済みならワンドローで、無駄がないです。

15 サイドボード
2《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver(THS)》
2《瞬間凍結/Flashfreeze(CSP)》
2《強迫/Duress(M10)》
1《否認/Negate(MOR)》
2《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage(EVE)》
1《弱者の消耗/Consume the Meek(ROE)》
3《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》
2《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》

 サイドボードはあまりかわり映えしませんが、《ヴェンディリオン》が変更点。低速コントロールやコンボデッキ相手に、単体で雑に勝てるビートプランへ。絶望的な『青単トロン』対策で打ち出した苦肉の策です。《世界のるつぼ》+土地破壊はスロットを喰いすぎるので。今回は当たりませんでしたが、同じく苦手な《石のような静寂》を無視できるカードでもあります。《石のような静寂》の場合、《テゼレット》さえ通せばなんとでもなりますが。実際、過去には《静寂》を貼られながら5/5の群れで圧倒したゲームもあります。

 なんだかんだいっても全方位対応のデッキであるので、高速から低速相手まで幅広く戦えますね。メタゲームにおいて一線級というわけではないので過剰にメタられるということもないのが良いです。

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