あらためてパウパーの禁止カードを軽い解説とともに並べてみます。

《アーカムの天測儀》
コモン限定構築でありながら多色化を容易にし、なおかつ1マナと軽く、手札を減らさないという謎の強力アーティファクト。各々が好きな基本土地を愉しむパウパーという環境において、氷雪しか採用できないこのカードの存在は許されなかったのだろうとも思います。

《フェアリーの大群》
青単撹乱的アグロデッキ(デルバーなど)で長らくエースを務めていましたが、『ファミリアコンボ』が目に余るということで禁止入り。ファミリアコンボにおいて、代わりは《流浪のドレイク》が務めることになります。まあこちらもすぐに禁止になるんですけど。

《流浪のドレイク》
《フェアリーの大群》禁止でひと息ついていたところに発売されたエターナルマスターズ、そこに再録され、まさかのコモン落ち。当然メタゲームの頂点に居座り、改定告知日よりも早く、緊急的に刹那と瞬速をもって禁止されました。

《雲上の座》
現環境でもトップに君臨する『トロン』よりも容易に大量のマナを生み出します。不採用のデッキと比べて圧倒的なデッキパワー格差のため、禁止もやむなしでしょう。《微光地》があれば速攻アグロにも耐性が付きます。

《頭蓋囲い》
すべてのアーティファクト土地が使える代わり、この強力な装備品が禁止となっています。

《大あわての捜索》
『ストーム』の「弱体化」のために禁止されたカード。記録によると《ぶどう弾》《巣穴からの総出》の2年前に禁止となっています。強いデッキは「弱体化」ではどうしようもないのです。

《ぶどう弾》
《巣穴からの総出》
《時間の亀裂》
パウパーでもストームコンボは許容されていた時期がありました。しかし《ぶどう弾》《巣穴からの総出》が同時に禁止され赤系ストームが消滅。同年中に《時間の亀裂》も禁止されて、ストームは悪いメカニズムだと開発部は再認識したのでした。

《ギタクシア派の調査》
コンボデッキではある意味コンボパーツともいえるカード。「マナを使わず、相手の手札を見て、手札を減らさない」コンボの前方確認にこれほどまでに合致しているカードも他にはありません。マナを使わないのでデッキの色を選ばないのも凶悪。

《目くらまし》
長らく使用されてきた強力ピッチスペルも禁止の鉄槌が下されました。《神秘の聖域》とのシナジーを危険視したとの見方もあります。

《噴出》
青系デッキの汎用アドバンテージカード。『《裏返し》コンボ』のエンジンや《撃退》とのシナジー。こちらも《神秘の聖域》と相性が良いです。

《High Tide》
《トーラックへの賛歌》
《陥没孔》
こちらは禁止理由が少々特殊で、そもそも、もともとコモンだったのですが、主にMO限定フォーマットだったパウパーが公式フォーマットとなるに際し、「MOにはコモンとして存在しないが紙のカードでコモンとして存在するカード」もMOと紙のパウパーで使用可能になり、それに合わせて、誰が見ても明らかにオーバースペックなため禁止されたのでした。再録時にはアンコモンやレアに格上げされています。そりゃそうだ。

《激励》
『感染』がお手軽に勝利条件を満たせるカード。デメリットは感染というメカニズムを考えればインクの染みでしかありません。

《宝船の巡航》
シナジーも何もない、謎の爆アドソーサリー。モダン、レガシー禁止、ヴィンテージ制限まできてパウパーで許されるはずがありません。


 自分は『ストーム』や《頭蓋囲い》の時代を知らないので時系列などがおかしいかもしれませんが、大体の禁止理由は網羅できたと思います。これらのリストを見ていくことで、次にどのようなデッキやカードが危険視され禁止されるのかが予想できるようになると思います。
《王冠泥棒、オーコ》《運命のきずな》禁止

 この記事はパイオニア禁止告知から大幅に遅れてしまいましたが、2019年のパイオニア禁止改定もこれで終わり。次回は2020年1月6日だそうです。恐らく、そこからはパイオニアも他のフォーマットと同じ禁止改定頻度になりそうです。
 次回から他フォーマットが告知日を指定せずひと月1回の告知に刷新されたようなので、パイオニアもそれに統合されます。これである程度は安心してパイオニアを楽しむことができそうですね。

 《王冠泥棒、オーコ》はもはや禁止改定の風物詩。どんなフォーマットでも禁止が囁かれますが、やはりプールが狭く対処困難なパイオニアでも禁止が出ました。モダン、レガシーでも、もしくはこれを安定的に機能させる《アーカムの天測儀》辺りが禁止に近い要監視リストに入っていそうです。
 《運命のきずな》は、これを擁する『シミック・ネクサス』が環境の上位にいる中では《オーコ》を基幹とした『シミック・フード』が数少ない苦手デッキとのことで、『シミック・ネクサス』隆盛を懸念しての禁止のようです。

 ついこの間までは、「シミックカラーのデッキは弱い」と思っていたのですが開発部も同じだったようで、少し強いカードをデザインしようとしたらオーバーロードしてしまったみたいですね。《荒野の再生》《運命のきずな》はカウンターを持たないデッキは対処しようがないですし、《金のガチョウ》《王冠泥棒、オーコ》はまさに黄金ムーブ。色対策カードでもトップクラスに入る《夏の帳》(当然パイオニア禁止)もあります。

 その昔、ゼンディカー発売時のスタンダードに『ジャンド』デッキが隆盛したことで「青は冬の時代」といわれ、青メインのコントロールデッキが影を潜めました。その後、ワールドウェイクにて「神」《精神を刻む者、ジェイス》が降臨し、そのオーバーパワーは皆知るところだと思います。同じ効果はいくつも出せませんし、弱ければ見向きもされず、強すぎれば禁止。何年経っても、いや何年も続いているからこそ、カードゲームのカードデザインというのは難しいものなのでしょう。デジタル限定にできない以上、いわゆる「ナーフ」できないことが枷となっている印象を受けます。
《密輸人の回転翼機》
《むかしむかし》
《死者の原野》
 今回はこちらの3枚。なんだか禁止基準が、スタンダードとそう変わらないような気がしますね。つまり現在スタンダード禁止の"奴"も、近いうちにパイオニアにて禁止裁定されそうな予感がします。
 確かに最初から禁止リストをつくるよりも、βテストの要領でメタの動きを見つつ順次追加していく方が理にかなっている気がしますが、毎週毎週、カードの価値をなくす禁止措置の恐怖におびえながらあそぶのは生きた心地がしません。
スタンダード
《王冠泥棒、オーコ》
《むかしむかし》
《夏の帳》
ブロール
《王冠泥棒、オーコ》
レガシー
《レンと六番》
ヴィンテージ
《覆いを割く者、ナーセット》(制限)

 複数のフォーマットによってですが、合計で大量の禁止カードが排出されました。

 スタンダードに至っては明確です。《オーコ》4枚を入れるところからデッキ構築が始まるカードゲームは楽しくありません。《オーコ》対策デッキを使っても《オーコ》デッキが優勝するという歪な環境でした。さらに、そのわきを固めるカードも禁止です。《むかしむかし》《夏の帳》は、《オーコ》なき後も緑を含むデッキが隆盛する懸念を払拭するためだそうです。

 レガシーはついにRUGデルバーに手が入りました。モダンホライゾンのトップレア《レンと六番》の禁止です。《オーコ》も入って手が付けられなくなっていたところ、まずは《レン六》の禁止からみたいです。RUGデルバーは、生物除去に弱いという弱点をプレインズウォーカーがカバーしていました。《レン六》はデッキの強みでもある《不毛の大地》を使い回し、自身も《不毛》に弱いところもその能力で補っています。『デス&タックス』などのタフネス1クリーチャーが主体のデッキを抑え込んでいたのも問題でした。

 ブロールはアリーナで先行禁止だったのでその流れで。ヴィンテージは、先手ゲーの加速を止めるためだと思います(適当)
 今回は《夏の帳》が禁止されました。カードプールの狭さからただでさえ抑えられている青と黒の打ち消し、除去が、このカードのおかげで機能しづらくなっていました。これからは、パーツは揃っている青白コントロールや、グリクシスカラーのコントロールなどが台頭してきそうです。
 週刊禁止改定第1弾が発表されたということで、次期禁止カードの予想をしやすくするために、これまで禁止にされたカードをまとめてみます。

《霊気池の驚異》
《約束された終末、エムラクール》
サヒーリコンボが禁止されるなら…と戦々恐々なカード。《王冠泥棒、オーコ》や《時を解す者、テフェリー》で対処できますがカラーが限られます。特に《オーコ》は『霊気池』デッキにも投入されうる、全フォーマットにおいてヘイトが高く、禁止のウワサもある危険なカードです。

《宝船の巡航》
《時を超えた探索》
スタンモダンレガシーで禁止ヴィンテージで制限の超強力アドバンテージスペル。ただ、これらのスペルを見てかフェッチ禁止もあって墓地が肥えづらい環境にあるので早期禁止にはならないと思われます。

《死儀礼のシャーマン》
モダン、レガシーで禁止。スタンダードリーガル時に暴れなかったことを考えるとフェッチ無き環境では許される可能性も高いです。

《暴れ回るフェロキドン》
《ラムナプの遺跡》
禁止当初でも、誰も禁止を意識しなかったであろうカード。これから赤単が使用率も勝率も高くトップメタとして"暴れ回る"ことがなければ禁止されることはないでしょう。

《密輸人の回転翼機》
コストパフォーマンスは良いですが、パイオニアのプールを考えれば禁止されるほどのパワーでもない感じがします。

《反射魔道士》
スタンダード当時、《集合した中隊》デッキに採用されて対戦相手のヘイトを集めまくったカードです。コミュニティの意見を聞いてあまりの嫌われぶりに禁止にされたという話もあります。再びカンパニーデッキが隆盛すれば、或いは。

《霊気との調和》
《ならず者の精製屋》
度重なる禁止によって『ティムールエネルギー』をはじめとしたエネルギー系ミッドレンジのデッキパワーが相対的に突出してしまったために禁止されたので、今はまだ禁止される段階ではありません。


 まとめ。
 この中で禁止カードを考えるならですが、まずは《霊気池の驚異》が一番カードパワーが突出していると思います。
 《宝船の巡航》《時を超えた探索》も危ないですが、せっかくリーガルなフォーマットなのでまだ残すのではないでしょうか。これを使いたいためにパイオニアをやる!というプレイヤーも多そうです。それ以外は現段階で特に環境を荒らしているということもないので、これからの様子を見つつ…というところでしょう。
 新フォーマット「パイオニア」にて、毎週月曜に禁止改定が更新されるようなのでほぼ毎週火曜日に禁止カードの紹介と個人的な考察をしていきたいと思います。

《守護フェリダー》
 残当オブザイヤー受賞。サイドカードの選択肢に乏しいカードプールの狭いフォーマットにおいて、土地を立てて常に意識しなくてはいけないコンボデッキはやはり許されませんでした。そして、サヒーリコンボ対策としてつくられた《暴れ回るフェロキドン》はなんの抑止力にもならないことが公式に証明されました。

《ニッサの誓い》
 フォーマット制定当初の禁止カード、初出オンスロート産のフェッチランド5種が示すとおり、多色デッキの横行は許されないようです。特に最近は優秀な3マナプレインズウォーカーも増えたことから、これの相対的なカードパワーも上がっています。

《豊穣の力線》
 0マナで2つの信心を稼ぐというハイコストパフォーマンスで、マナクリーチャーの生み出すマナを増やし展開力を上げるというデッキコンセプトに合致した能力も併せ持ち『緑単信心』はパイオニアのトップメタの一角でした。《ニクスの祭殿、ニクソス》は許されたので、他の色の信心デッキの登場も期待しているということでしょう。白、黒、青、赤の力線は特に信心デッキのコンセプトに合致しているというわけではありません。


 初回の禁止改定で3枚も禁止カードが排出されたということで、このフォーマットはバランス取りを厳しくし、推していこうという意図が見えます。毎週の禁止改定によってデッキが壊れる危険性もあるため全力でデッキ構築することはできませんが、それも含めて楽しむフォーマットといえます。
 サイドボードはこの記事にまとめて書きます。

・墓地対策
《外科的摘出》
 追放するカードが墓地にある同名のカード4枚までということで、厳密には「墓地対策」を果たせないことの方が多いです。どちらかというとコンボを止める役割ですね。対『ドレッジ』においても、誘発に対応して《イチョリッド》《黄泉からの橋》を抜くことでクロックを展開させないようにしたり、《戦慄の復活》の対象を追放したりします。
 「手札を見る」効果も重要で、軽コストで、非公開領域でありゲームリソースの中心である「手札」を見られることは後のゲームプランに大きく影響します。

《安らかなる眠り》
 最強の墓地対策といっても過言ではないカードです。
 ほぼ同じ効果のカードで《虚空の力線》がありますが、あれは「初手にあれば最強」であり、逆に初手にない場合には色が合わなければ素出しもできませんし、黒いデッキでも4マナと重くすでに墓地に置かれているカードになにも影響を及ぼさないため手遅れです。
 この《安らかなる眠り》は2マナと軽く、置ければその時点で墓地のカードを全追放でき、置かれている間墓地は増えません。ただ、超高速でコンボする『リアニメイト』などに対しては「2マナが重い」場合も多々あるので、前述の《外科的摘出》や場合によっては《フェアリーの忌み者》もサイド候補に入ります。

《大祖始の遺産》
 《安らかなる眠り》を墓地対策のメインとし、こちらはすこし効果を抑えたサブプランです。《安らかなる眠り》は強烈な効果を持っている代わり、複数枚置いても意味のないカードであり、《瞬唱の魔道士》の誘発を阻害することもマイナスポイントです。こちらのカードは普段は1枚ずつですが全追放を任意にでき、1ドロー付きなので腐ってもいわゆるサイクリング可能です。
 「起動が任意にできる」ということはそのタイミングが難しいということの証左でもあり、上手く使うためには少しコツが要るかもしれません。
 例えばモダンの『青赤ストーム』において《炎の中の過去》を撃たれた時にすぐに起動してしまうと、《遺産》を解決し墓地を全追放→手札のマナ加速を連打→《過去》の効果で先ほど唱えた墓地のマナ加速を連打、というテクニックが存在します。

《基本に帰れ》
 サイド向けですが、特殊地形に頼ったデッキの多いメタゲームの場合はメイン2サイド1とメイン寄りに多めにスロットを割くこともあります。最大の効果が発揮できるのは相手の土地がすべてタップしている時で、決まればかなりスローダウンできます。『土地単』や『ポスト』など、『奇跡』が苦手とするデッキの相性差をひっくり返す力があります。

《議会の採決》
 パーマネント除去としては最高峰。呪禁やプロテクションも無視します。デッキ的に優秀な3マナカードが多く、このカードは白マナダブルシンボルで出しにくいので、メイン1サイド1採用がスマートです。

《仕組まれた爆薬》
 0~2マナのパーマネントをまとめて除去できるカード。できるだけひきつけて1:2以上の交換がとれる状況で起動したいです。

《水流破》
 対赤最強カード。第一段階として打ち消しができて、後で引いてきても「破壊」ができるという、カラーパイを無視しているカードです。
 おもなパーマネントとしては《騙し討ち》《レンと六番》《戦慄衆の秘儀術師》など。赤単バーンにはほぼすべて刺さります。

《ドビンの拒否権》
 2マナで打ち消されない《否認》。この安心感は半端なものではなく、コンボデッキは構えているのが分かっていてもなかなか動けません。

《狼狽の嵐》
 以前は強力なカウンターだったものの、灯争大戦以後は強力なプレインズウォーカーが台頭したこともあり、非パーマネントが打ち消せないこのカードは肩身が狭くなりました。この採用数が減った代わりに、このカードに弱い『ANT』が増えつつあるという状況です。

《ヴェンディリオン三人衆》
 メイン採用もありますが、デッキの性質上サイド採用の多いカードです。
 唱えるタイミングは相手ドローステップが有名ですが、実際には相手の動きを見てから、エンド時に唱えることが最適解となる場面が多いです。相手の手札を確認し、相手の脅威を取り除いてから自分のメインに脅威を叩きつけます。

《僧院の導師》
 呪文のチェーンがつながれば1ターンに20点クロックが用意できることもある必殺クリーチャーです。クリーチャー少なめというイメージを逆手にとって採用されるカードで、特にサイド後除去を一定数抜かれるためさらに強さを増します。
 弱点は3マナでソーサリータイミングというところで、レガシー環境では即死コンボの平均始動ターン。また返しの除去も掻い潜らなければならないので、さらに2回呪文を唱えるくらいの余裕がなければ出せません。
 無駄牌の多い対コンボデッキのメイン戦では、3ターン目に《意志の力》も構えず《僧院の導師》を出す、「お願いキレメンター」することもありえます。


 とりあえず今回はこんなところで。なにかあれば随時追加していきます。
 重要でありながら軽視されがちな「土地」。絶対必要でありながら引きすぎると負けにつながるという、このゲームの根幹たる存在です。
 青白奇跡コントロールに入りうる土地カードを種類別に解説します。

《Tundra》
 必要不可欠で必要悪なカード。基本土地を偏重したデッキ構築で、《虹色の眺望》登場後も、1枚はデッキに必要となります。「青マナも白マナも生み出せてフェッチのできるアンタップ土地」は唯一無二の存在で、《不毛の大地》の的になろうとも不採用にはできません。主に「最序盤に除去とカウンター両方構える」ことに使うことになります。

《溢れかえる岸辺》
 フェッチランドということで《渦まく知識》との組み合わせが重要なカードで、疑似《Ancestral Rcall》を実現します。デッキに合致しているので不動の4枚採用カードです。島を持ってくるか、平地か、《Tundra》か、自分の手札と相手のデッキを考えて吟味しましょう。

《虹色の眺望》
 実質《溢れかえる岸辺》8枚体制を実現するカード。《Tundra》は持ってこれませんが、《不毛の大地》を機能させず基本土地を並べるデッキの主眼によく合っています。

《沸騰する小湖》
《汚染された三角州》
 以前は《虹色の眺望》の枠に入っていたこれら「《溢れかえる岸辺》5枚目」のフェッチランドは、追加で1~2枚の採用でよくなりました。初手にこれをセットした場合デッキタイプを誤認させる服地効果もあるかもしれません。

《カラカス》
 『スニークショー』や『暗黒の深部』系には必要なものの、《不毛の大地》の格好の的にされるため、コンセプト的にはあまり入れたくないカードです。あまりに《グリセルブランド》やマリット・レイジなど伝説のクリーチャーが闊歩するような環境なら採用を検討しましょう。


 曰く「マジック最強のカード」。それは誇大としても、最強のマナベースであることに間違いはありません。島さえあれば、ライブラリーと手札を自在に操ることができるのです。
 強すぎるが故《窒息》《花の絨毯》《沸騰》など強烈すぎるメタカードも存在するので意識しつつ動きましょう。

平地
 補色として採用されている、青で触りづらい盤面除去の色です。枚数が少なめなのでフェッチを大事に使いたいところです。アグロデッキに対しては《終末》のナチュラル奇跡を狙うため、最序盤に白マナを用意したいです。
 青白奇跡コントロールにおけるパーマネントは、つまり「フィニッシャー」です。これ1枚で勝つ、というカードも少なくありません。

《瞬唱の魔道士》
 「コントロール」と銘をうつのであれば、《瞬唱》4枚からというのが定説です。それほどまでに汎用性の優れたカードです。墓地の呪文を使いまわし、時には除去、時には打ち消し、ロングゲームではドロースペルをフラッシュバックすることもあり、コンボデッキ相手にはプレッシャーをかけるためただの2/1クロックとして出すこともありえます。
 《精神を刻む者、ジェイス》の-1で使いまわすのも凶悪です。

《基本に帰れ》
 相対的な環境とメタゲームの産物ではありますが、特殊地形を咎めることはデッキによっては機能不全を起こします。相手もそれをケアしますが、ぎこちない動きになることも多いです。盤面コントロール力は《相殺》よりも強いので、《相殺》をおとりに《基本に帰れ》を通す、というのが有利盤面につながります。

《相殺》
 《師範の占い独楽》なくとも、手札を使わない打ち消しはやはり強いです。カーブが1マナに寄っているので操作しなくとも1マナの期待値は高く、ライブラリートップ操作力に長けているので相手のデッキの脅威を考えながらそのマナコストのカードをライブラリートップに置きます。《渦まく知識》はそのためにも大事に使います。
 ちなみに不要なカードを公開した場合、《予報》で叩き落とすことができることも覚えておきます。

《覆いを割く者、ナーセット》
 灯争大戦が生んだバケモノカード。自身が青でありながら青という色を否定するようなカードです。《渦まく知識》がゴミになり、《精神を刻む者、ジェイス》の採用率を減らさせるほど。当然に自分が使った場合には強いので、「起動型能力を2回使って忠誠値を1残す」ことを考えて運用します。
 「1ターンに2枚以上ドロー」する手段に乏しいデッキには効果が薄いカードなのでサイドアウトも視野に入れます。

 覚えておくべき重要事項がひとつ。『ドレッジ』の発掘能力は「ドローを発掘能力に置換」するので、そのターンに1枚しかカードを引いていない場合に2枚目以降のドローを発掘に置換する場合、《ナーセット》は何もしません。例えば相手がドローステップに通常ドローをしたのち《信仰無き物あさり》を唱え、「カードを2枚引く」ことを発掘2回に置換することができます。

《時を解す者、テフェリー》
 相手がインスタントタイミングで呪文を唱えることを禁止するという強烈な効果がたったの3マナで実現するとんでもないカードです。+1能力は《議会の採決》をインスタントタイミングに使ったり、相手のターンに《思案》で《終末》を奇跡で唱えることができます。-3能力はやっかいなパーマネントをバウンスする効果。プレインズウォーカーは対象にできないことに注意です。
 この《テフェリー》の常在型能力は、待機が明けた呪文が唱えられない、続唱でめくれたカードが唱えられない、カードの効果によって唱える呪文(《白日の下に》《戦慄衆の秘儀術師》《約束の終焉》など)が唱えられないことに注意が必要です。

《精神を刻む者、ジェイス》
 時代の変遷とともに対処法が研究され倒し方が熟知されてきた”神”ですが、未だそのフィニッシャーとしての存在感は健在です。4マナソーサリータイミングというスキさえどうにかすれば、その圧倒的なアドバンテージ能力により有利を盤石にします。
 そう、「五分~有利を盤石」にするのであり不利を覆す力はほぼないので、「満を持して」登場させたいところです。返しに簡単に除去されるような状況では出したくないですね。クリーチャーデッキ相手には、0能力から《終末》を仕込んで使い捨てることもありそうです。
 0能力をメインに使います。手札が潤沢でもないのに+2能力で勝負を急ぐ必要はどこにもなく、じっくり呪文をかき集めて手札が溢れかえりそうになったら+能力を起動していきます。ターンはともかく時間はケアするべきなので、この手のデッキはプレイングの思考時間をできるだけ短くする練習をしましょう。引き分けは負けです。
 基本的には《剣を鍬に》4枚《終末》3枚《議会の採決》1枚がこのデッキの黄金比率となります。《議会の採決》メイン2枚というレシピも散見されますが、3マナソーサリータイミングというのはレガシーにおいて生死を分けるマナコストであるので、あまり増やしすぎないことが重要です。

《剣を鍬に》
 特にライフでの勝利条件を積極的には狙わないデッキにおいてはデメリットはあってないようなもの。ただし《グリセルブランド》に対しては7枚のカードをプレゼントしているようなものですし、マリット・レイジに対して撃つと本格的にライフ勝ちできなくなります。これらを使うコンボデッキ相手には減らすのがセオリーです。
 例外もあり、『ANT』には《ザンティッドの大群》が存在します(ちなみに最近では《夏の帳》に置き換わっており、確証はないものの《剣を鍬に》全抜きできるようになりました)。『スニークショー』は除去を抜いてくることを見越して《秘儀の職工》で非生物カウンターが効かないように軸をずらしてくることも考えられます。

《終末》
 奇跡で唱えられれば白マナ1個ですべてのクリーチャーを実質追放できるという、とんでもないスイーパー呪文です。ライブラリートップを操作しやすいレガシーの青という色は奇跡呪文を使いやすくします。欠点は点数で見たマナコストが6マナであることで、初手にある場合や戦場にクリーチャーがいないなど奇跡誘発のタイミングではないときに手札に来た場合不要牌となってしまいます。それを避けつつ奇跡のトリガーともなる《渦まく知識》の使いどころが試される呪文です。

《議会の採決》
 デッキの構造上対処しにくいアーティファクト、エンチャント、プレインズウォーカー、除去体制を持つ《真の名の宿敵》《引き裂かれし永劫、エムラクール》をきっちりと追放処理できる万能パーマネント除去です。反面3マナソーサリーとレガシーでは重く、基本土地を並べたいこのデッキでは白マナダブルシンボルもなかなか早期に捻出しづらいです。採用にはメイン1サイド1がスマートで、パーマネントが脅威で返しの即死コンボが存在しないデッキにはよく刺さります。『デス&タックス』『エルドラージ』各種デルバーデッキなど。


 見ての通りパーマネント除去は青白というデッキ特性上当然というべきか白いので、青マナと比べて少ない白マナをどう調達するかがカギになります。コンボデッキには効果が薄いので、ドロースペルを駆使して引きすぎないようにするのが特にメインでは重要です。
 「ほぼメインに入りうる」カウンター呪文についてです。
 このシリーズすべてにいえることですが、自分で考えた雑感であるので間違っても鵜呑みにしないようにお願いします。

《呪文貫き》
 テンポを損ないにくい対非生物カウンター。序盤であればあるほど機能します。最近はプレインズウォーカーの採用率が増え、致命的な置物(エンチャント・アーティファクト)も存在することから《狼狽の嵐》採用率は減少気味。
 《騙し討ち》に対して、相手が2マナ払える場合でも《呪文貫き》をあえて唱えて起動させないようにし、返しのターンで《解呪》などを通すプレイングもあります。

《呪文嵌め》
 《レンと六番》《石鍛冶の神秘家》など2マナの脅威の採用率が上がりつつあるためこの呪文の重要性も増加。対《瞬唱の魔道士》としても優秀。固め引きすると弱い場面もあるので《瞬唱》での使いまわしも考えて1枚挿しがベター。

《対抗呪文》
 「クリーチャーも打ち消せる」カウンター。対非生物カウンターとしてはトップクラスの信頼度を誇る《ドビンの拒否権》の登場や、《レンと六番》を意に介さない高速コンボやデルバーデッキなどの隆盛で高速化したこともあり、最近では《対抗呪文》では特に後手では間に合わないことも多々。万能な1:1確約カウンターではあるのでメタによってはまた採用率が上がってきそうです。

《意志の力》
 言わずと知れた、レガシー環境を定義するカードの一角です。メリットでありデメリットでもあるピッチコストを使うと追加で手札を失うので、何でもかんでも打ち消すのはNGです。例えばクリーチャーなら除去を使うことを考慮し、こちらは温存しておくのがセオリーとなります。序盤のコンボ、ドレッジの呪文、《レンと六番》《冬の宝珠》など事後対処しにくい呪文に対して使用するのが良い使い方です。


 打ち消し呪文はパーマネント除去と違い、「戦場に出てしまったパーマネントには対処できない」代わりに「パーマネントを戦場に出さず、誘発型能力などを誘発させずに墓地に置く」ことができる呪文です。打ち消しを構えるか、先に動くか。その駆け引きもこのデッキを使う楽しみであり、難しさでもあります。
 レガシーの『青白奇跡コントロール』を4つのカテゴリに切り分け、カード毎に解説していきます。自分なりの備忘録です。

 まずはドロースペル編から。レガシーの青白コントロールは《渦まく知識》と《思案》をどう上手く使うかにかかっているといっても過言ではありません。このキャントリップスペルの使い方を学ぶデッキとも言い換えることができます。

《渦まく知識》
 しっかりと必要なカードを思い浮かべながら唱えます。漠然と「マナが余ったから」「手札が弱いから」などといった軽い理由で消費すると本領が発揮できません。
 例えば、《実物提示教育》を撃たれ打ち消し呪文が手にない時。《思考囲い》を撃たれて手札の《精神を刻む者、ジェイス》を守りたい時。《終末》をライブラリートップに仕込む。そのような明確な理由がある場合に唱えます。不要牌はゲームの進行につれてたまっていくもの。無駄撃ちせず、フェッチと組み合わせて、ここぞという時に手札をリフレッシュします。
 ちなみに青白コントロールは《意志の力》を5マナで唱えられるように島と平地を置いていくのが良いので、土地は5枚まで置いたら手札に持っておき、《渦まく知識》のために残しておくのが良いです。

《思案》
 最序盤は土地を探すのに最適なカード。レガシーは基本的に土地を切り詰めているので、ある意味《思案》は土地でもあるといえます。ただ、これも漠然と使っていては強く使えません。今、自分が必要なものは何なのかを明確に決めてから唱えます。例えば「土地」「打ち消し呪文」「フィニッシャー」など。
 ただし、土地は1ターンに1枚置いていければいいので、《思案》で見た3枚中に土地が2枚3枚見えた場合は少し考えます。土地が必要な場合でも、それ以外のカードが現状必要ない場合はシャッフルも考慮します(『ANT』相手に「土地土地《終末》」と見えた時など)。

《先触れ》
 4枚フル投入の《渦まく知識》《思案》と比べ、2~3枚の採用に留まるカード。その理由はドローの誘発タイミングにあります。次の(基本的には相手の)アップキープのため、唱えた時点ですぐにドローできません。「自分のターンに3枚のカードを仕込んで相手のターンに《終末》奇跡を誘発させる」ことは《先触れ》でしかできないので、そのために入っています。必要なカードを探しに行く目的では最大4枚見られる《思案》の方が《先触れ》よりも優れているので、その目的でどちらかを使うならまずは《先触れ》から唱えます。
 また、このカードは相手にも使えることを留意すべきです。プレインズウォーカーをコントロールしたりしていて有利な場合、相手のライブラリー3枚を並び替えて弱めることも重要です。

《予報》
 上記3種のキャントリップとは違い、ハンド・アドバンテージをとれるドロースペルです。キャントリップスペルや《精神を刻む者、ジェイス》、《相殺》の誘発でトップを見ることができるので、これを覚えておいて手札を増やします。最悪、不要牌2枚引いたとしても、《渦まく知識》+フェッチランドがあれば入れ替えることができます。
 最近は高速化しうまく仕込むスキがないため、採用は見送られがちです。ゆったりとしたゲームの場合に強いカードです。

《定業》
 あまり採用はされないのですが、「初心者向けのキャントリップスペル」です。明確に「必要なカードは上、不要なカードは下」とできるので、3種キャントリップスペルと違い悩む時間がすこぶる短いです。《思案》との入れ替えで採用されることがあるようです。レガシー始めたての場合はこれを4積みして慣れるのも良いと思います。



 最後に。『青白奇跡コントロール』はキャントリップスペルに始まりキャントリップスペルに終わります。使い方によってデッキが強くも弱くもなり、この1ドロースペルを使いこなすことが、デッキを使いこなすことにつながります。
 フルスポイラーを見渡した限り、特に目を見はったのがこの《虹色の眺望》というカード。基本土地のみフェッチできる土地です。1点支払う代わりにアンタップインできるのが、効果の似ている《進化する未開地》(《広漠なる変幻地》)とは違うところ。これはモダンだけでなく、レガシーなどでも使われる予感がします。

 《虹色の眺望》の利点は、そのまま「基本土地をサーチできる」というところにあります。相手の《血染めの月》《大爆発の魔道士》などをケアできますし、レガシーなら《基本に帰れ》《不毛の大地》も加わります。意外と特殊土地の多い青白コントロールで基本土地中心に並べられますし、グリクシスやジャンドカラーなど3色デッキでも自身で《血染めの月》が使いやすくなります。
 デメリットも「基本土地をサーチすること」なので、あまりシンボルの濃いカードを入れすぎると事故を起こしやすくなることに注意です。

 シングル予約で1枚4000円を下らない高値を付けていますが、現状で4枚揃えても良いだけの価値はあると思います。後々値下がっても、手放さずずっと使い続けるなら損ではありません。
 戦場に《ウルザの塔》《ウルザの魔力炉》《ウルザの鉱山》という3枚の土地、いわゆるウルザトロンを揃えると無色7マナが出ることを利用して早期に重めのパーマネントを叩きつけるデッキ。
 以前は赤を入れて除去を加えたり、青白カラーでけち屈葬コンボを組み込んだりといったタイプもありましたが、最近では緑単無色でストレートにウルザトロンを揃える、速度を徹底的に追及したタイプが主流のようです。(その緑単に対してマウントが取れる『青単トロン』も一定数存在します)

19土地
4《ウルザの塔》
4《ウルザの魔力炉》
4《ウルザの鉱山》
1《ウギンの聖域》
1《幽霊街》
6《森》

9クリーチャー
3《歩行バリスタ》
3《ワームとぐろエンジン》
1《世界を壊すもの》
2《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
 《歩行バリスタ》の存在が、トロンが赤を足さずとも成立するようになった理由です。このクリーチャースロットはかなりベーシックな形で、フェアデッキすべてに対応できます。

32呪文
4《探検の地図》
4《古きものの活性》
2《大祖始の遺産》
4《森の占術》
4《彩色の星》
4《彩色の宝球》
4《忘却石》
2《精霊龍、ウギン》
4《解放された者、カーン》
 最速トロンを揃えるための《探検の地図》《古きものの活性》《森の占術》。緑マナを捻出するための《彩色の星》《彩色の宝球》。これらを土地換算することでたった19枚というマナベースでも回すことができます。
 フィニッシャーは基本3ターン目《解放された者、カーン》。対応できるデッキは限られます。アグロやミッドレンジには《忘却石》《精霊龍、ウギン》が刺さります。
 《大祖始の遺産》はフリースロットではありますが、強化された『ドレッジ』『死せる生』をメインから対策します。腐っても2マナ1ドロー。

15サイドボード
3《自然の要求》
3《スラーグ牙》
4《難題の予見者》
2《次元の歪曲》
2《外科的摘出》
1《墓掘りの檻》
 《血染めの月》《減衰球》に対応するため《自然の要求》は必須。苦手な『バーン』に《スラーグ牙》。《ヴェールのリリアナ》を見るなら《強情なベイロス》でも良いでしょう。パーミッションも苦手な方なので《難題の予見者》が意外といい働きをします。土地破壊や《血染めの月》までケアするなら《ウルザの後継者、カーン》も良いでしょう。
 先の大会で4回戦3-0-1(1ID)したのでデッキリストを備忘録がてら晒してみます。
 デッキコンセプトは『へたくそでも扱えるコントロール』。自分自身へたくそを自覚しているので、あまり悩まず、安定した動きができる構築をしました。

確定スロット
4《渦まく知識/Brainstorm》
4《思案/Ponder》
 《渦まく知識》は言わずもがなの確定スロット。これがなければレガシーで青いデッキを使う理由にならない。序盤の安定が大命題なので《思案》も4。

4《意志の力/Force of Will》
 《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》入りの頃は3枚程度に減らしたりメインから外したりも出来たが今は打ち消しに乏しいデッキとなってしまったので4枚確定。

4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
3《終末/Terminus》
 アグロ相手に序盤の攻勢を凌ぐため《剣を鍬に》は4。強力だが積み込みがしにくく素撃ちが激重な《終末》はあまり手にだぶつかせたくないので3枚。

2《基本に帰れ/Back to Basics》
 レガシーに数多く存在するデュアルランドデッキや『クラウドポスト』など特殊地形依存のデッキを咎める。赤を足さず"青白"2色である理由。《Volcanic Island》まで足してしまうと自分にも刺さる。

2《対抗呪文/Counterspell》
 スロット的に《相殺/Counterbalance》と選択。個人的にはソーサリータイミングでの設置スキと積み込みがうまくいかないことを嫌って《相殺》は不採用。周りがコンボだらけならスロットをあけて《相殺》を入れることも考慮。《対抗呪文》はアドバンテージにはならないものの確実に1:1交換を見込めるので個人的には高評価。

1《議会の採決/Council’s Judgment》
 呪禁やプロテクション持ち生物、対処が苦手な置き物やプレインズウォーカーを"追放"できる万能パーマネント除去。3マナソーサリーは重いので1。サイドにも1採るのがスマート。

1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
 《虚空の杯/Chalice of the Void》X=1でデッキの大部分を否定されかねないのでメインから1は用意しておきたい。

フリースロット
 枚数を調整したり、カード自体が入れ替わる枠。
3《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
 2枚までは確定。他のパーツとの兼ね合いで3~4枚あっても良い。クロックを急ぐためにフラッシュバックなしで出すことも多々。

2《僧院の導師/Monastery Mentor》
 返しで除去されなければ軽量呪文の連打により莫大なクロックをつくり出す。基本的にはこれを護る打ち消しを構えつつ出すのがベスト。コンボが少ない環境ならメイン3くらいあっても良く、サイド1も考えたいところ。

1《天使への願い/Entreat the Angels》
 お互い決め手を欠いてグダッたのち、うっかり奇跡を誘発させて勝つための手段。X=3でも十分致死圏内。メタにもよるがメイン1はほぼ確定か。ミッドレンジ~低速コントロールが多ければサイドに 1採るかどうか。

2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
 プレインズウォーカーはこれ一択だったが《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》の登場で一変。ジェイスは不利を覆しづらいが、有利を盤石にできるところは変わらない。

1《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
 重ささえ気にしなければデッキに合致した1枚。+1能力でドロー+土地2枚アンタップで大きな隙をつくらず、-3能力は邪魔なパーマネントを退かせる。

2《狼狽の嵐/Flusterstorm》
1《呪文貫き/Spell Pierce》
 不確定カウンター枠。スペル合戦に強い《狼狽の嵐》と、《狼狽》の弱点、対パーマネント呪文をカバーする《呪文貫き》。この枠は調整のしどころかもしれない。

2《予報/Predict》
 《アズカンタの探索/Search for Azcanta》と選択。両方入ったレシピもあるが、盤面に触れられないので流石に入れすぎか。《相殺》と同じく設置隙を嫌ってインスタントの《予報》にした。《予報》を撃つ予定なら不要牌をトップに置くことを覚えておく。

1《定業/Preordain》
 《先触れ/Portent》の枠。はじめは《先触れ》3枚で、あまり強く感じなかったので《定業》に換え、キャントリップ過多に感じたので《狼狽の嵐》と《呪文貫き》に差し替え。


 サイドボードは適宜入れ替わるため割愛します。

モダン禁止カード

2018年4月18日 MTG
モダンフォーマットにおける禁止カードリストとその理由(推測)を羅列。

禁止カードとは「環境に多様性を持たせること」が主旨であり、それを勘違いしてはいけません。
多様性(たようせい)とは、幅広く性質の異なる群が存在すること。
つまり、アーキタイプが様々に存在し結果を残せる環境であることを目指しているのです。1つのアーキタイプでしか勝てない環境(ex.ミラディン期スタンダード『親和』)と、どんなアーキタイプでも構築とプレイング次第で勝てる環境。どっちが楽しいですか?…ということです。


•《ギタクシア派の調査》
 今もトップメタの一角を占める『デスシャドウ』系が、相手の動きを完全に把握し、安定して速やかに勝利できる。『ストーム』『感染』なども同様。

•《ゴルガリの墓トロール》
 『発掘』が台頭し、使用者が増えすぎ墓地対策が必須となることから。個人的には《秘蔵の縫合体》のようなハードパンチャーがいなければ許されるレベルだと判断している。

•《古えの居住地》
•《教議会の座席》
•《大焼炉》
•《囁きの大霊堂》
•《伝承の樹》
 『親和』がビートダウン一強となるため、色マナを生み出すアーティファクト・土地は全て禁止。一定の使用者を残すため、《ダークスティールの城塞》は使用可。

•《出産の殻》
 対アグロに絶対的な強さを持ち、ビートダウンデッキを締め出してしまうことから。

•《猛火の群れ》
 感染生物をパワー10以上にすることで、『感染』が2、3ターン目に安定して勝利することを後押しする。

•《金属モックス》
 少ないコストで1ターン目に加速できてしまうことから、過剰に速度が上がってしまうため。

•《雲上の座》
 『クラウドポスト』は『トロン』の比ではないレベルでかなり容易に多量のマナを生み出すことができる。

•《暗黒の深部》
 《吸血鬼の呪詛術士》《演劇の舞台》など簡単で早期に、ほぼ一撃死レベルのパワー20飛行破壊不能のクロックをつくりだしてしまう。

•《死儀礼のシャーマン》
 1マナ生物としては破格の性能。色が合うならどのデッキにも投入されうるため。逆に、これのために無理に色を合わせることもできるほど。

•《時を越えた探索》
 実質2マナ7ドローインスタント。行き過ぎたアドバンテージスペル。

•《戦慄の復活》
 モダン制定当初から禁止。おそらく『ドレッジ』パワーレベルの調整。

•《ウギンの目》
 一時期『エルドラージ』が大流行し、環境を席巻したため。

•《垣間見る自然》
 各種部族デッキが突出するため、モダン制定当初より禁止。


•《緑の太陽の頂点》
 シングルシンボルでサーチでき、汎用性がありすぎるため緑のカードでは4枚必須級となるため。

•《超起源》
 モダン制定当初より禁止。続唱などで手軽にフィニッシャーを叩きつけるような即死コンボができる。

•《精神的つまづき》
 1マナカードの全否定。《瞬唱の魔道士》などが絡むとさらに凶悪。

•《思案》
•《定業》
 コンボデッキのパワーレベルを下げるため。

•《罰する火》
 アグロデッキの選択肢を狭めてしまうため。具体的には、タフネス2以下のクリーチャーが生存権を失います。

•《炎の儀式》
•《煮えたぎる歌》
 『ストーム』コンボの抑制。

•《第二の日の出》
 1ターン内に決まるコンボながら勝利までの道筋に時間がかかりすぎる上、その間対戦相手は何もすることがない。

•《師範の占い独楽》
 「毎ターン起動に時間がかかりすぎる」との触れ込みだったが、モダン禁止当時はレガシーでは使えたため、単純にモダンにおいて『独楽相殺』はパワーが高すぎるとの判断だったと思われる。

•《欠片の双子》
 クリーチャーコンボであり対処が難しいわけでもないので長らく使用できていたが、使用者が固まりすぎて安定の選択肢となり、看過できないと判断されたためか。

•《石鍛冶の神秘家》
 単純なカードパワーにおける禁止。軽く、ハンド・アドバンテージを稼ぎ、除去できないと速やかにゲームが決まる。

•《頭蓋骨絞め》
 モダン制定当初よりの禁止。軽すぎるアドバンテージエンジン。

•《花盛りの夏》
 『アミュレットコンボ』パワーレベルの抑制。

•《宝船の巡航》
 ほぼ《時を越えた探索》と同理由か。こちらはシングルシンボルのため、単純に手札を増やすために『赤単タッチ』などのような形でも使われた。

•《梅澤の十手》
 あらゆるビートダウンを封殺してしまうため。


 こういった考察をしていると、モダンはどのような意思によって構成されているか、次はどのようなカードが禁止されるかといったことがうっすらと浮かんでくるようですね。
 『タイタンシフト』というデッキは、《溶鉄の先鋒、ヴァラクート》の誘発条件を満たすことで勝利を得るデッキで、プレイヤーの対象をとらなければなりません。そのため、《神聖の力線》《ルーンの光輪》(《魔女封じの宝珠》)などの置き物が苦手です。ヴァラクートが誘発しなくなる《血染めの月》も天敵。
 それを対策するためにいくつか存在する《帰化》系の呪文を使うのですが、それぞれメタによってどのようにサイドボーディングすればいいのかをまとめます。モダンにてプレイアブルなもののみ。なお、原型となった《帰化》を使用するメリットは一切ありません。

《自然の要求》
 1マナというのが強み。デメリットとして相手ライフを4点回復させるのですが、簡単にオーバーキルダメージを叩き出すこのデッキではあってないようなもの。『ランタンコントロール』や《霊気の薬瓶》には、軽いことがメリットとなり得るのですがメタ上の仮想敵としてはいまいち。

《幻触落とし》《霊気のほころび》
 対象をライブラリーにシャッフルして切り直す、実質追放除去です。『トロン』などが擁する《ワームとぐろエンジン》や、『親和』の《溶接の壺》対策になります。個人的には、《自然の要求》よりもこちらがスマートかと思われます。

《クローサの掌握》
 《帰化》系としては重い3マナがネックなものの、キャストに対応されないのが最大の強み。誘発型能力(《相殺》など)でしか打ち消されませんし、『親和』には数多くの致命的な起動型能力を持っているものが存在します。ex.《頭蓋囲い》《電結の荒廃者》《鋼の監視者》など

《再利用の賢者》
 《召喚士の契約》でサーチできるシルバーバレット。場に残るクリーチャーがアタッカーやチャンプブロッカーとして活かせます。3マナソーサリータイミングなのがネック。場合によってはメインから、サイドには常時1枚差ししても良いレベルです。
 組んでみたので、盛大にチケットまたはPPを溶かす前に整理しておきたいと思います。随時加筆修正します。後日サイドボード編するかも。

生物呪文群
《秘密を掘り下げる者》
 デッキの顔たる優秀な1マナアタッカー。除去の厚いデッキ(バーン、ボロスなど)や、ダメージレースどころではないデッキ(呪禁、親和など)、デルバー同型相手には抜くこともある。

《フェアリーの悪党》
 ポスト《フェアリーの大群》をしっかりと果たしているいぶし銀。スプライトの水増し、これ→忍者、さらに重ねて出すことでアドバンテージ源ともなる。除去耐性はないので、例によって除去の厚いデッキや同型には優先的に抜く対象になる。

《呪文づまりのスプライト》
 巧く使いこなせれば勝利を盤石のものにできる。すべてケアしきれるわけではないが、できるだけ除去をケアしつつ出したい。

《ボーラスの占い師》
 コモン落ちによってPauperに舞い降りたマスターピース。アドバンテージをとりつつチャンプブロッカーにも。忍者で戻せるとさらにアドバンテージ。

《深き刻の忍者》
 アドバンテージエンジン。スプライトの使い回しでソフトロックをかけたり、《ボーラスの占い師》を戻して除去やカウンターを探したり。

非生物呪文群
《思案》
 Pauperにおいては最優先すべき1マナキャントリップ。これ1枚で4枚までライブラリーを掘り進めることができる(シャッフルした場合)。シャッフルしない場合は積み方に要注意。見えた3枚すべてが有効牌というのはほぼないはずなので、フェッチなど他のシャッフル手段も有効に使う。

《定業》
 《思案》よりは優先度が低い。《渦まく知識》で乗せた2枚を落とす場面もあるかも。

《渦まく知識》
 詳しく解説すると1冊の本ができるくらいなので割愛するとして、このデッキでよく使う使い方を2つ。1つは、手札の不要牌をライブラリトップに乗せてフェッチ(サイクリング)でシャッフル。もう1つは、デルバーの変身能力スタックでインスタント・ソーサリーをトップに乗せる。デルバーが変身できる場合はシャッフル手段なしでも《渦まく知識》を使う理由になる。

《稲妻》
 Pauper最強汎用除去。除去はこれが基準となっているので、除去耐性といえるのはタフネス4以上。

《雪崩し》
 ゲームが進むほど確定除去に近くなる。《グルマグのアンコウ》が除去できるくらいになればだいたい安泰。

《払拭》
 1枚差しするのがスマート。意外と必要な場面で引いてくれる。

《対抗呪文》
 2色デッキだとあまり2ターン目には撃ちづらい。クリーチャー環境なので、状況にもよるができるだけ2ターン目までに山を置きたい。

《噴出》
 採用枚数2枚がデフォルト。《渦まく知識》スタックで島を2枚タップした状態で《噴出》を撃ち、手札に戻した島をフェッチ(サイクリング)して手札の呪文率を高めるプチコンボ。

土地群
《冠雪の島》
 《対抗呪文》のために青マナ2つを早期に揃えたいが、できるだけ山を優先させる。

《冠雪の山》
 採用枚数はだいたい2枚、多くても3枚。全体的に土地を切り詰めているので、あまり山を入れすぎると青マナ不足に陥る。枚数の関係でフェッチ・サイクリングは優先的に山。

《進化する未開地》
 基本的には数少ない山をサーチするための手段。マナに余裕があるなら、《渦まく知識》のために温存する方が良い。

《灰のやせ地》
 《進化する未開地》とは少し使い勝手が異なる。島タップからサイクリングで山を導き、除去を構える場面もよくある。《思案》《渦まく知識》でライブラリトップに乗った不要牌のシャッフル手段としても使える。
 24日のNo Changeから一転、3日後の27日に《守護フェリダー》が禁止されることとなりました。

 禁止カードが出ることはいいんです。誰も、環境をすべて完璧に把握することはできないはずなので。問題はそのタイミングにあります。何故今になって?24日に禁止されていれば、無駄な反感を買うこともなかったと思います。

 24日から2日間、プロプレイヤーやコミュニティからのフィードバック、MOでの圧倒的な勝率から緊急禁止にせざるを得なかった、とあります。これは未来において、とても恐ろしいことです。多くのフィードバックと試合結果によっては特例として、告知日を待たず、いつでも禁止カードが排出される可能性があるということです。

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