先日の「プロツアー・イニストラードを覆う影」にて、第4位となった、エスパー(青白黒)カラーでドラゴン・クリーチャーをフィーチャーしたコントロールデッキ。通称『エスパードラゴン』ですが、使用者の名前から所謂『ヤソコン』とも称されます。
 個人的な話をすると、参加者が減りリアルカードでの大会開催があまりされなくなったので、リアルではプレイしなくなると思いますが、もしも参加するとしたらこのリストを75枚コピーで使います。それほど完成度の高いデッキリストです。

10(クリーチャー)
4《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(ORI)》
4《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai(DTK)》
2《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar(DTK)》
 「現環境の青いデッキは《ヴリンの神童、ジェイス》4枚から」といえるほど中核を担うアドバンテージカード。高速なデッキが成立しにくくなった現状、メインから積まない理由はありません。カードプールには有効な墓地対策が乏しいため、早期に変身することもしばしば。
 フィニッシャーはもちろんドラゴン。《オジュタイ》は環境最強フィニッシャー。4ターンクロックのパワーもさることながら、攻撃が通れば手札をもたらし、息切れを防ぎます。守る場合でも呪禁の安心感があります。
 《シルムガル》はクリーチャーを奪うことが主ですが、コントロールが苦手なプレインズウォーカーをも奪取できることも重要です。

23(呪文)
4《シルムガルの嘲笑/Silumgar’s Scorn(DTK)》
2《意思の激突/Clash of Wills(ORI)》
3《究極の価格/Ultimate Price(DTK)》
2《闇の掌握/Grasp of Darkness(OGW)》
2《精神背信/Transgress the Mind(BFZ)》
3《忌呪の発動/Foul-Tongue Invocation(DTK)》
2《苦い真理/Painful Truths(BFZ)》
1《骨読み/Read the Bones(ORI)》
3《衰滅/Languish(ORI)》
1《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis Reignited(BFZ)》
 現環境のようなパーマネントを並べる環境において、メインに打ち消し呪文を6枚も搭載し、しかも勝っているデッキはあまりありません。それが優れたデッキリストを証明させるものでもあります。
 アドバンテージカード《時を越えた探索/Dig Through Time(KTK)》が落ちても、今のカードプールならコントロールデッキは成立するということです。

15(サイドボード)
1《龍王の大権/Dragonlord’s Prerogative(DTK)》
3《強迫/Duress(DTK)》
2《否認/Negate(OGW)》
1《無限の抹消/Infinite Obliteration(ORI)》
1《闇の誓願/Dark Petition(ORI)》
2《ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet(OGW)》
1《悪性の疫病/Virulent Plague(DTK)》
1《死の宿敵、ソリン/Sorin, Grim Nemesis(SOI)》
1《苦渋の破棄/Anguished Unmaking(SOI)》
2《死の重み/Dead Weight(SOI)》
 コントロールとアグロ、どちらも対応できるサイドボードが組まれています。中速以上のデッキ相手では《闇の誓願》の汎用性が光ります。
 《カリタス》は《衰滅》とも相性が良く、最悪これを巻き込んで《衰滅》しても相手のクリーチャー分だけ自分の戦場に2/2ゾンビが出ます。《衰滅》が有効なデッキ相手には必ずサイドボーディングするようにしましょう。

 コントロールというあーきタイプは相手の動きを見てから対応することが基本であり、環境と相手のデッキを理解することが最重要で、何の知識もなく飛び込んで好成績が残せるというデッキではありません。できることならばコントロールではなく、まずは仮想敵となるデッキを十分に回し、相手を熟知しましょう。相手のデッキの動きが分かるなら、極端な話、自分のデッキを使って練習する必要すらありません。相手の動きが手に取るようにわかる。それこそコントロールデッキの真骨頂です。

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