あらためてパウパーの禁止カードを軽い解説とともに並べてみます。

《アーカムの天測儀》
コモン限定構築でありながら多色化を容易にし、なおかつ1マナと軽く、手札を減らさないという謎の強力アーティファクト。各々が好きな基本土地を愉しむパウパーという環境において、氷雪しか採用できないこのカードの存在は許されなかったのだろうとも思います。

《フェアリーの大群》
青単撹乱的アグロデッキ(デルバーなど)で長らくエースを務めていましたが、『ファミリアコンボ』が目に余るということで禁止入り。ファミリアコンボにおいて、代わりは《流浪のドレイク》が務めることになります。まあこちらもすぐに禁止になるんですけど。

《流浪のドレイク》
《フェアリーの大群》禁止でひと息ついていたところに発売されたエターナルマスターズ、そこに再録され、まさかのコモン落ち。当然メタゲームの頂点に居座り、改定告知日よりも早く、緊急的に刹那と瞬速をもって禁止されました。

《雲上の座》
現環境でもトップに君臨する『トロン』よりも容易に大量のマナを生み出します。不採用のデッキと比べて圧倒的なデッキパワー格差のため、禁止もやむなしでしょう。《微光地》があれば速攻アグロにも耐性が付きます。

《頭蓋囲い》
すべてのアーティファクト土地が使える代わり、この強力な装備品が禁止となっています。

《大あわての捜索》
『ストーム』の「弱体化」のために禁止されたカード。記録によると《ぶどう弾》《巣穴からの総出》の2年前に禁止となっています。強いデッキは「弱体化」ではどうしようもないのです。

《ぶどう弾》
《巣穴からの総出》
《時間の亀裂》
パウパーでもストームコンボは許容されていた時期がありました。しかし《ぶどう弾》《巣穴からの総出》が同時に禁止され赤系ストームが消滅。同年中に《時間の亀裂》も禁止されて、ストームは悪いメカニズムだと開発部は再認識したのでした。

《ギタクシア派の調査》
コンボデッキではある意味コンボパーツともいえるカード。「マナを使わず、相手の手札を見て、手札を減らさない」コンボの前方確認にこれほどまでに合致しているカードも他にはありません。マナを使わないのでデッキの色を選ばないのも凶悪。

《目くらまし》
長らく使用されてきた強力ピッチスペルも禁止の鉄槌が下されました。《神秘の聖域》とのシナジーを危険視したとの見方もあります。

《噴出》
青系デッキの汎用アドバンテージカード。『《裏返し》コンボ』のエンジンや《撃退》とのシナジー。こちらも《神秘の聖域》と相性が良いです。

《High Tide》
《トーラックへの賛歌》
《陥没孔》
こちらは禁止理由が少々特殊で、そもそも、もともとコモンだったのですが、主にMO限定フォーマットだったパウパーが公式フォーマットとなるに際し、「MOにはコモンとして存在しないが紙のカードでコモンとして存在するカード」もMOと紙のパウパーで使用可能になり、それに合わせて、誰が見ても明らかにオーバースペックなため禁止されたのでした。再録時にはアンコモンやレアに格上げされています。そりゃそうだ。

《激励》
『感染』がお手軽に勝利条件を満たせるカード。デメリットは感染というメカニズムを考えればインクの染みでしかありません。

《宝船の巡航》
シナジーも何もない、謎の爆アドソーサリー。モダン、レガシー禁止、ヴィンテージ制限まできてパウパーで許されるはずがありません。


 自分は『ストーム』や《頭蓋囲い》の時代を知らないので時系列などがおかしいかもしれませんが、大体の禁止理由は網羅できたと思います。これらのリストを見ていくことで、次にどのようなデッキやカードが危険視され禁止されるのかが予想できるようになると思います。

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